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好きなものを好きなように

リアミシェル主演「ファニーガール」を見てきた話

先日UPした記事の続きのような感じ。

kzzhss.hateblo.jp

 

ずっとずっと夢だと思ってたけど、実際に目の当たりにしてやっぱり夢じゃなさそうだったのでとりあえず記録に残します。こんなこと、もうそうそうなさそうなので。

 

 

▼チケットをとるまで

リアミシェルがファニーガールをやると知ったのが8月。その時点で年末年始をNYで過ごす予定を立てていたので、もしかしてどんぴしゃで公演見れるんじゃない??と思い、チケットを探しました。

実際に買うまで1か月くらいかかった。なぜなら、まじで怖かったから。そんなうまい話、あるわけないと思ったから。オタクの二次創作じゃん!!!だって!!!!gleeとおんなじことが現実で起こるんだよ??意味わからんやん!!!!

 

とか言ってたら9月から実際に公演がスタートし、その好評っぷりにじわっとチケットの値段が上がったので慌てて取った。12月30日のマチネ。

ミュージカルを見るときは2階席の最前がお気に入りなので、2階最前、左側の席をゲット。(真ん中はさすがに高すぎて取れなかった。350ドルくらいしてたような記憶があります。たぶんだけど)SeatGeekというサイトで直接購入。席の値段が199ドルで、手数料?チケットフィーが22ドルちょっと。合計221ドルちょいでした。

 

チケットはとったけど、でもまだ信じられなくて。嘘かもしれないからあんまり期待しないでおこう、考えるのやめよう。と思って旅行の日まで深く考えないようにしていました。

 

▼12月30日当日

当日は午前中にチェルシーマーケットに行って、午後戻ってきてから鑑賞する予定だった。14時からの公演で、会場付近に到着したのが13時ちょっと前くらい。まだ余裕あるし、どっかでお茶でもできるかな~その前にチケットを最終確認しよう~とスマホでチケットを開いたら、そこにリアミシェル休演の文字。え?と思ってファニーガールの公式ツイッターを確認したら、今日のマチネはリアミシェルの体調不良のため代役がやりますと。

 

まじで頭が真っ白になって、でもどこかで「だから夢だったじゃん」と思う自分もいた。とりあえず確認しよう、とボックスオフィスに走り(すでに払い戻し希望の人がかなり並んでいた)、窓口の女性に半泣きで状況を聞いた。やっぱり、リアはマチネの出演をキャンセルしてるとのこと。

次の公演は1月3日だけどどうする?振り替える?と聞かれたけど、私は1月2日に帰国予定だったので「その日はもうここにいない」「でもどうしてもリアが見たいんです」と必死で伝えたら、なんとかその日の夜の公演にチケットを替えてくれた。

「でも彼女は今日体調不良みたいだから、夜ももしかしたら出ないかもしれない。そうしたらまたここにきて。払い戻しするから」と、英語もろくに話せない私に対して本当に親身に、優しく教えてくれた。

 

夜のチケットを握りしめ、へとへとだったのでホテルに戻って夕方まで待つことに。公演日を改めて確認したら、次の公演は1月1日だった。英語苦手すぎてJanuary 1stをJanuary 3rdと聞き間違えていたらしい。しかも1月1日だったら、2階席の2列目に1席空きがあるっぽい!!!!もし今日ダメだったらこのチケットを買おう、と決意。

そして夕方、ソワレの2時間ほど前にやっぱりリアの休演が発表されて、またボックスオフィスへ走り、払い戻し。ついでに1日のチケット買えるかなと思って聞いたら、私が欲しい席はリセールチケットのため、窓口での購入はできないとのこと。仕方ないのですぐに道端で購入手続きをし、1日のチケットを手に入れたのでした。

ちなみにチケットの値段は席が220ドル、チケットフィーが44ドルで合計264ドルでした。席悪くなったうえに高くなったけど、もうこの際そんなことはどうだっていい!リアミシェルを見たい!の気持ちしかなかった。

 

▼1月1日当日(開演まで)

もともとこの日は特に予定を入れてなかったので、なんとなく年始から開いていたMoMAに行って時間をつぶし(ちゃっかり日本で買い逃していたMoMAとchampionのコラボスウェットをゲット)、会場に向かった。

もうこの日は何度も何度もチケットや公式ツイッターを確認した。開くたびに怖くてうっすら汗をかいたけど、でも休演の文字はなく、そのたびにほっと胸をなでおろす。

 

そして14時過ぎに会場に到着。公演は15時からなのでちょうど1時間をきったくらい。

もうこの時点で心臓がやばい。手汗はもちろんかいてるし震えもとまらない。

会場から両脇に列が伸びていて、並んでる人たちと「ファニーガールの列であってるよね?これで入れるよね?」と確認しあいながら並んでたら、私たちの並んでいたのはこれからチケットを買う人たちの列だとわかり、慌てて逆側の列に並ぶ。

この時点でかなりの列。並んでる人たちみんなちょっとそわそわしてて、みんな一緒なんだな~と一人で思ったりした。

そして14時半前にやっと開場。チケットを見せてシアターに入る。かなりこじんまりした劇場。ニューヨークではガーシュウィンシアターにしか行ったことなくて、あそこはかなり大きい劇場だったので、この小ささが新鮮だった。

席につくのがなんか怖くて、しばらくロビーをうろうろしたりトイレ行ったりして、やっと着席。

しっかり舞台が見える席でテンション爆上がりした。本当にこの距離で私はレイチェルのファニーガールが見れるのか・・・信じられん・・・とこの時点でもまだ思っている。

 

▼開演

リアが出てきた瞬間から会場が湧いて沸いてすごい。1月1日という年初めの盛り上がりもあるのかもしれないけど、それにしてもすごい。そんな私はもう息をのんだまま固まって手にしたタオルをぎゅっと握りしめていました(絶対泣くと思って準備してた)

もうねえ、リアミシェルだった。私がずっと見てきた彼女がそこにいた。小柄なはずなのにあの風格、あの声量。I'm The Greatest Starが始まった時はもう震えに震えて涙腺が終わった。けっこう笑えるシーンだからみんな楽しく見てるのに、私一人だけ泣いてた。

 

でもやっぱりすごいのは、全くレイチェルではなかったんだよね。レイチェルベリーのファニーブライスとは一線を画したパフォーマンスだった。おそらく彼女も演出側も、同一視されないようにそこはかなり意識していたんだとは思うんだけど、それでも。

どっちが上手いとか下手とかじゃなくて、シンプルに別物だった。ああこれは、リアミシェルのファニーブライスなんだ、とI'm The Greatest Starの時点ではっきり理解した。レイチェルのファニーガールが見たい、なんて、私はかなり失礼なことを期待していたのかもしれないと反省した。

 

あとは本当に彼女のコメディエンヌさがずば抜けている感じ。gleeの時も思ってたけど、グリキャスはわりとみんなコメディ向きというか、特にナヤちゃんとかもっとコメディ感のあるドラマとか出てくれないかな~と思っていたくらいだったので、リアがしっかりコメディやってるのよかったな。会場もすごく笑ってた。

バーブラのファニーともレイチェルのファニーとも違うのに、でもしっかり役として成立しているのはリアミシェルの実力のなせる業だと思います。

 

そしてDon't Rain On My Paradeよ・・・・・

もう会場全員があの瞬間を待っていたんだなと笑ってしまいそうになるほど、曲が始まる数秒前から空気が張り詰めるのが分かった。曲が始まった瞬間に客席から歓声があがる。レイチェルの十八番。シーズン1から幾度となく歌われてきた彼女の代名詞ともいえる曲。

声量や声のハリはずっと聞いてきた彼女のまま、でも緩急がこれもやっぱりオリジナルで、もんのすご~~~~~~くよかったです。gleeでレイチェルの歌うDon't Rain On My Paradeは少し幼かったんだなと思った。リアのほうが断然迫力があるというか(まあ生で聴いているというのもあったんだろうけど)。

リア自身も泣いていました。One shot, one gun shot, and BAM!かHere I amのあたりで客の歓声と拍手が鳴りやまなくなった時があったんだけど、その時にぽろぽろと泣く彼女の顔が見えて、ああいいなと思った。彼女にしか分からない感情がたくさんあったんだろう。レイチェルも、こういう瞬間があれからきっとたくさんあったんだろうな、と。思わずあの時はレイチェルとリアを重ねてしまった。

泣いていた彼女も、ぐっと涙をぬぐった次の瞬間から全くぶれない声量で歌うのがプロとしての凄まじいところだなと感動した。泣いた時って絶対呼吸が浅くなるはずなのに、どういう仕組みなんだあれは。

 

余談ですが、帰国してからツイッターかなんかで流れてきたリアの舞台上の動画を見て、9月の日付になっていたその動画の時より、私が見た時のほうが声が歌になじんでいたなと思いました。9月の時は若干うわずっている感じ。彼女なりにブラッシュアップしているのかその時がたまたまそうだっただけなのかは分からないけど、やっぱり舞台は何度か見たほうが分析が楽しいんだろうな~。贅沢な話ですが。

 

そこで幕間に入り、私は大急ぎでトイレに走り、列に並びながらちょっと泣き(堪えていた感情がそこでこみあげてしまった)、その帰りに物販でマグカップを買いました。もうなんでもいいから買いたかった。この震えの記念に。Don't Rain On My Paradeとプリントの入ったマグカップ。使うたびにこの日のことを思い出すんだろう。

 

そして2幕、びっくりしたのはWho Are You Nowがデュエットになってたこと。いやしかしニッキー役の方もえげつない上手くてそれはそれですごくよかったです。歌の上手いふたりがデュエットするとこんな風に空気が震えるのかと思った。二人のデュエットでこの曲が一番よかった。すれ違っていく二人が、それでも進む方向を違えていくのを止められない感じが切ない。

 

ラストにMy Manがなかったのだけがちょっと残念だったな。カートに「She may be difficult, but boy can she sing. 性格は最悪だけど歌は最高」と言わせた曲はgleekとして一度聞いてみたかったので。でもその代わりDon't Rain On My ParadeがアレンジされてFinaleになっていました。それもそれでよかった、というかまたあの曲が聴けるんだ!ってやっぱりちょっと嬉しくなっちゃうもんね~~~~もうなんでも最高だよ!!(臨界点を突破したオタク)

 

 

そんなこんなで公演が終わり、カーテンコールも終わった瞬間、客がものすごい勢いで引いていく。え、なんでそんなみんな大急ぎで・・?と思いながら私も何となく流されるまま急ぎ足で会場を出たら、なんだか人だかりがある。

「リアが出てくるって!」と興奮気味に話す人たちの会話を聞きながら、いやこんな早くに出てくるもんなん・・・?と疑心暗鬼になっていたら本当に出てきた。リアミシェルが。

まじで一瞬すぎて全然分かんなかったけどたぶんリアだった。こう見るとものすごく小柄だな!とあとでしみじみ思うなど。裏口のドアからささっと車に乗り込み、そのまま彼女は去っていった。相変わらず、なんだか全部が夢みたいだった。

 

▼総括

いや、本当にものすごい経験をしました。猛烈に嬉しい思い出になった。30日、突然の休演に振り回されてスケジュールを台無しにされたことも帳消しになるくらいよかった。

私は普段からいろんなものを趣味にしていて、アイドルとか本とか海外エンタメとか旅行とか、そういうものに支えられて生きているんですが、まさか人生で一番ドハマりした海外ドラマとこんな風に現実が交差すると思わなかった。人生って本当によくわからないことが起こる。

↑公演直後のツイート、これが一番端的に私の感想を表していると思う

 

リアミシェルその人がどういう人なのかは私には分からないし、散々炎上したことも知ってはいるんだけど。でも私にとってレイチェルベリーは本当に本当に大切なキャラクターだし、それを演じてくれたことには今後もずっと感謝すると思う。あの炎上騒ぎが本当なんだったら、これから変わっていくといいね。gleeはそういう、変わっていこうとする人たちのためのドラマでもあったと思うから。

 

私はこれからきっと、この日のことを一生大事にして、支えにして生きていくんだろう。そういう瞬間が増えることこそ、何かを好きでいる意味なんだと思う。なにかを好きになるために、好きでい続けるために、これからも生きていきたい。たかだか海外ドラマの話なのに大げさに聞こえるかもしれないけど、でもやっぱり私にとって、好きとはそういうことだ。ずっとずっと、gleeを好きでよかった。